富良野・美瑛フォトグラフィー
オーストラリアからフォトグラフィーを趣味とされておられるご夫婦に二日間に渡って同行させていただきました。美瑛を中心に丘の景色を巡ってきましたが、驚いたのは、美瑛中に韓国からのお客様が溢れていることです!!冬に美瑛でじっくりと時間を過ごす・・・ということが最近ではなかったので、この状況にはびっくりです!
随分前から、アジア圏の海外へのプロモーションも行なっていましたし、海外で活躍されている有名ブロガーの招請事業等々、美瑛エリアを中心に行なってきていましたが、まさかこんなに!?というほどの美瑛熱です。すれ違うタクシー、マイクロバス、グランドキャビン、大型バス・・・ほとんどすべて韓国から。美瑛の素晴らしいこの丘の景色をバックに、また真っ白な雪に憧れて、お仲間同士で楽しそうにカメラを手にしておられましたが、大半はスマートフォンで自撮り(セルフィー)で楽しんでおられました。
でもやっぱりこうなってくると起こってくる問題は、私有地への侵入。名称が付いているような有名どころのスポットでは、あからさまな侵入も。雪があるので、足跡がバッチリ残ります。また、その足跡がつくことで、後から来た方々も「ここまでオッケー」と勝手に解釈、どんどん侵入。侵入はしないように。という看板があちこちに立っています。この看板がまた、せっかくの風景や楽しい気持ちに暗い影を落とす・・・。自分達だけが楽しければ良い・・・というようなご様子です。
しかしながら、このお客様あっての観光業。せめて、自分たちがお連れする方々にはこのようなことにならないように、長くいつまでもこの美瑛の風景を楽しんでいただけるように、一人一人が心配りするしかありません。
今回のフォトロケの下見中、私有地に侵入し、はしゃいでいる男性とそのグループに注意させていただきました。日本語が話せる韓国人の方がドライバー、リーダーで、そのリーダー本人が侵入している張本人。バンザイしながらそれをそのほかの人が写真を撮って喜んでいました。少なくとも、40代、50代以上の良識を持っているであろうはずの大人のグループです。
写真を撮ろうと構えると、この男性の踏み跡が絵に入ります。雪が降ればこの踏み跡は消えるでしょう。だけど、流石に目の前でこの行為をされると黙っているわけにはいきませんでした。せっかく楽しい旅行をしているのに、せっかく遠方から来ていただいて、大の大人が注意されるなんて・・・、注意する方もすごく嫌な気分です。注意すると、
「ここはまだ畑ではない!」
という返答が日本語で返ってきました。道路脇の1mもある雪の壁をわざわざ乗り越えて5m以上も侵入していってそこが畑かどうかの問題ではないのです。
いくら、看板を立てても、チラシや地図に注意喚起の文章を入れようとも、注意喚起のパンフレットなんかお金をかけて印刷しても、伝えたい方々に伝わらなければ全くもって意味がありません。
パンフレット作って安心してしまっているのではないでしょうか。せめて来られた方々一人一人にパンフレットを手渡してでも伝えるしかありません。このチラシがゴミになって町中に広がる可能性もありますがね・・・。
国立公園なんかで、レンジャーさんがビジター全員にレクチャーを行いますが、そう言ったレクチャーを行なってから撮影ツアーに出かけるとか、または現地のガイド付きでしかツアーができないようにする、侵入した人は罰金されるとか・・・。何か、来られる側も迎える側も両者がハッピーになる案を早急に考えなければならないのではないかと思います。そうすることは両者の首を絞めることにもなりかねないですが、このままではもっと最悪の事態になりかねません。
人ごとではなく、考えなければなりません。持続可能な観光のあり方を。